東南アジアなどに移住して第二の人生を送ることに憧れを持つ人は少なからずいると思う。なんといっても物価は安いし、何かと生きづらい日本を離れて悠々自適だと思いきや、現実は甘くない。まさかのホームレス転落や孤独死に陥る高齢者が後を絶たないらしい。そこまで悲惨なことにはならなくとも、だんだん夢のスローライフどころではなくなる。なぜそうなるのか?社会福祉制度の恩恵を受けられるか否かが大きな問題だ。
移住先では十分な社会福祉が受けられないという現実
チェンマイ日本総領事館によると、在留届を出している日本人は3200人以上。うち60歳以上が5割、70歳以上は3割を占めるという。若いころならばともかく、年を取ると病気にもなる。しかし医療保険にも入っていなければ高額な医療費を負担しなければならない。タイで暮らせば日本の社会保障制度は基本的に適用されず、タイの公的サービスからも外国人は抜け落ちてしまうことから、年齢とともに蓄えも尽きて貧困に陥る人も多いようだ。
インフレで物価も上がるので持ち金も目減りしていく
さらに、新興国では毎年確実に物価が上昇していく。つまりお金の価値が低下していく。10年かそこらで物価が2倍になったりもします。そうこうしているうちに年を取るだけ取ってしまうと行き詰まりとなる。日本に帰っても縁者もいなく戻る場所もないだろう。これでは漂泊放浪の運命に流されただけである。もちろん十分な対応力があり、現地で幸せに暮らしている日本人もいるだろう。しかし全員がハッピーリタイアメントということにはならないようだ。
もともと人間は「先天の気」が年齢とともに減少していくもの
人間には先天の気というものがある。ヨガではプラーナとも呼ぶ。これは人間の健康や環境、運気諸々を作り出していく働きをするものと言われている。この先天の気は赤ちゃんの時には満タンで年齢とともに減っていくという性質がある。持っているボリュームには個人差があるが、基本的に先天の気の補充はできない。そして生きている中で呼吸とともに少しづつプラーナは失われていくという。
30代や40代でもその減少は感じられるだろう。まず体力がガクッと減ったりしやすい。実はそれとともに環境を形成する運気も下降してきている。先天の気とは別に後天の気というものがあり、食事や養生などで補えるものの、高齢になってプラーナがいよいよ減少してくると運も元気もなくなっていくものだ。仮に完全にエネルギーが落ち切ったとしても、福祉制度がその歯止めになってくれるというわけだ。
楽には限りがあり、社会やコミュニティに貢献しないと居場所がなくなる
東南アジアへの移住は当然、楽を求めてということになるのだろうが計算に一つ狂いがある。人間である以上は楽には限りがあるもの。福徳を維持できなければあとは没落に転じることになる。異性問題や離婚、病気や怪我、お金の問題や仕事のトラブルなど、さまざまな苦難を何も受けないわけにはいかない。
海外では地の利がないし、そこで人の縁も切れてしまえばあとは個人の力ではどうにも回復できなくなってしまう。したがって長生きをするのであれば、コミュニティに貢献できるようにしておかなければならない。そうすれば孤独死という最悪の終焉だけは避けられるだろう。
後天の気を養って防波堤とする
健康の基本は食事そして運動である。血行を若く保ち、神経の働きを維持することが秘訣だと思う。あとは社会に何らかの形で貢献すること。それは仕事とは限らず、人が喜ぶことならなんでもいい。投げたものは還ってくる。
プラスのエネルギーの循環サイクルを心掛けて生きることで、福徳の消耗を幾分か防ぐことができるはずである。
いずれにしても海外に移住するのであればしっかり日本で安心を積み立ててから万全を期してのほうがいいだろう。あまり無理してそこで運を使わないことである。というかこれは移住のケースに限った話しではない。日本の近い将来、超高齢化社会で同じことになることが容易に想像できる。年金は払っておきましょうね(笑)
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